FC2ブログ

プロフィール

梅星

Author:梅星
社会人になっても、いつもいろいろな空想の世界を思い描いていました。
その中で、ずっと書きたかったお話(小説)をブログという世界を使って紹介させていただきます。
無理なく肩の力を抜いて続けていきたいと思いますので、楽しんでいただけたらと思います(毎週更新予定です)。
初めて読まれる方は、『あらすじ』も並行して読んでいただければ、読みやすいかと思います。
お楽しみください。

尚、文中の登場人物、会社等すべてフィクションです。


最新記事


最新コメント


月別アーカイブ


カテゴリ


メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:


訪問していただいた方々


よろしくお願いします。


リンク


DATE: CATEGORY:第1章 佳奈の災難
春彦は、いつものように会社から帰る道端で、女性がうずくまっているのに気が付いた。
「どうしたんですか?」
春彦は、その女性に近付き、声をかけた。
女性は、春彦の声に気が付き、顔を上げて春彦の顔を見た。
「ちょっと、貧血を起こしたみたいなんです。
少しじっとしていれば、そのうち治まると思うのですが……。」
女性は、貧血のためか、青白い顔で作り笑いを浮かべようとしていたが、額の辺りに脂汗をにじませていた。
「救急車か、タクシーでも呼びましょうか?」
春彦は、心配して聞いたが、女性は、顔を左右に振り言った。
「大丈夫、少し治まってきたし、家はすぐ近くなので。」
「じゃあ、家まで送っていきましょう。」
春彦は、そういって女性の荷物を持って、肩を貸し、女性をゆっくり立ち上るのを手伝った。
「すみません。」
女性は、すまなそうに言った。
二人は並んで歩き出し、だんだんと女性も具合が良くなってきたのか、歩く足取りもしっかりしてきた。
そこから10数分、歩いたところで、女性は立ち止まり目の前のマンションを指さした。
「あ、ここです。
 このマンションなんです。」
「あっ、そうですか。
 じゃあ、大丈夫ですね。」
春彦は、そういって、女性に荷物を返そうとした。
「あの、少し、休んで行きませんか。
お礼にお茶でも。」
「いや、そんな気遣いは不要です。」
春彦は、固辞して帰ろうとした。
女性は、慌てて春彦の腕をつかんだ。
「ひとり暮らしなんです。
なんだか、心細いので少しだけ寄っていただけませか。」
マンションのエントランスの明かりで、春彦は初めて女性をまじまじと見つめた。
春彦より年上だが、年のころは20代後半で、肩より少し長めのカールした黒髪、ぽっちゃりした下唇、どこかのモデルでも通りそうなきれいな顔立ちをしていた。
また、成熟した女性の香りがして、春彦は思わず見惚れてしまっていた。
「私、山藤カレンと言います。
 このマンションの306号に住んでいるんです。
 どうか、少しだけでも上がっていってもらえませんか?」
すがるようなカレン目に見つめられて、春彦はどきまぎして答えた。
「じゃあ、少しだけ。
 あっ、僕は立花春彦と言います。」
「あら、素敵な名前ですね。」
カレンは、ニコッとして言った。
二人はマンションエレベーターに乗り、カレンが3階のボタンを押した。
エレベーターは、機械的な音を上げ、ゆっくり上昇を始めた。
3階につきエレベーターが止まるときに、がだんと揺れた。
「きゃ。」
とカレンは小さな悲鳴を上げバランスを崩した。
春彦は、慌ててカレンの腕を取り、カレンの身体を支えた。
「ごめんなさい。
このエレベーター、いつも止まる際に揺れるの。
今日は、まだ、足元がふらついて…。」
カレンは微笑みながら言った。
「そうなんだ、でも、危ないですよね。」
春彦は、カレンを支えながらエレベーターから出た。
306と号室のボードが出ているドアの前で、カレンはバックから鍵をだし、部屋のカギを開けた。
カレンが先に玄関に入り、電気のスイッチを付けた。
「ちょっと、散らかっているけど、気にしないでね。」
カレンは室内履きのスリッパを並べて、春彦に入るように促した。
「じゃあ、お邪魔します。」
「あっ、入ったら、鍵をかけておいてくださいね。」
カレンの言ったセリフが不思議に聞こえた。
(普通、知らない人間を入れるのなら、鍵は開けっ放しでは?)
と春彦は思った。
「どうぞ、こっちに来て。」
春彦はリビングに通された。
1LDKの間取りで、ふすまが閉まっている先の部屋は、カレンの寝室だろう。
春彦は、ぼんやりと室内を見渡した。
リビングは、女性らしく小奇麗に片づけられていた。
(開かっているというのは、一種の社交辞令だな。)
と春彦は何気なく思った。
「やだ、そんなにジロジロ見渡さないで。」
カレンは、笑いながら言った。
「そこの椅子に座っていてね。
 今、何か飲み物を用意するから。
 ビールでいい?」
「え?
 いや、何もいりませんよ。
 すぐ、お暇しますから。」
「そんなこと言わないで。
 それとも、アルコールはだめなの?」
「いえ、そんなことありませんが…。」
「よかった。
 いつも一人で寂しかったから。」
カレンは、冷蔵庫から缶ビールを2本出してきた。
自分の家という安心感からか、カレンは、だいぶ打ち解けたような態度になっていた。
「でも、さっきまで貧血で具合が悪かったのでしょ?
 そんなのに、ビールを飲んで大丈夫なんですか?」
「大丈夫。
だって、もう我家なので、具合が悪くなってひっくり返っても大丈夫。
それに今日は最後にいいことがあったから。」
カレンは、悪戯っぽく笑って言った。
「じゃあ、かんぱーい。」
あっけらかんとして、さっぱりしているカレンに春彦は好感を持った。
「かんぱい。」
二人は、缶ビールを開けてビールを一口飲んだ。
「ああ、美味しい。
 今日は、特に美男子君と一緒だから。
 そうだ、おつまっみ、おつまっみと。」
カレンは楽しそうに言いながら、冷蔵庫の中からハムとチーズを出してきた。
「でも、立花さん、今日はありがとうございました。
 たまに、ああいうことになるのですが、その時は、一人でどうなっちゃうか不安だったの。
 そこで、声をかけていただき、すごく心強かったわ。」
テーブルに並べながら、カレンは春彦を見て改めてお礼をいった。
「いや、そんな。」
春彦は、少し照れていた。
「立花さんて、おいくつ?
 背広を着ているから、社会人かな?」
「ええ、今年23歳です。
 社会人1年目です。」
「あら、じゃあ、私が5つお姉さんだわ。
 年を感じるわね。」
「そんなことないですよ。」
春彦は『お姉さん』という言葉に、一瞬、悠美のことを思い出した。
悠美とカレンとでは、全くタイプが違い、悠美はどちらかというと本当の姉のようで、カレンは、成熟した女性と印象が全く違っていた。
「でも、カレンさんは独り暮らしなんですか?」
「そうなの。
 大学卒業して、こっちに出てきて。」
「彼氏とかは?」
(何を俺は聞いているんだろう)
と春彦は、すこし焦った。
そんな春彦のことを気にした様子なく、カレンは明るく答えた。
「彼氏とは半年前に別れちゃった。
 だから、今は彼氏募集中。
 春君、彼氏になる?」
「え?」
いきなり苗字ではなく下の名前で呼ばれ、しかも冗談ともとれないセリフを聞いて、春彦はますます焦った。
「あっ、ごめんなさい。
 ついつい、立花さんと話していると、なれなれしくなっちゃって。
 ごめんなさい、気を悪くしないでね。」
「いいですよ。
 なんか、俺良く言われるんです。
 ぼやっとしているから、ついいろいろ話してしまうって。
 人畜無害ってやつですかね。
 まあ、それだけですが。」
「あは、よかった。」
カレンは、ほっとしたように言った。
「それに、春でいいですよ。」
「じゃあ、私もカレンて呼んでね。」
春彦は、照れながら頷いた。
「でも、普段は知らない男性を部屋にあげたりしないのよ。
 春君だからかな。
 何か優しい感じがして、この人なら大丈夫って感じがして…。」
カレンは、なぜかはにかむように言った。
それから、1時間以上、他愛もない話で盛り上がり、缶ビールも2本ずつ空けていた。
春彦は、ふと時間が気になり腕時計を見て言った。
「いけない。
 少しだけっていったのに、もう1時間以上。
 カレンさん、そろそろ帰ります。」
「え~、もう?
 もっとゆっくりしていけばいいのに…。」
「あしたも仕事なんで。
 駄々を捏ねないでくださいね」
アルコールが少し回ってきたのか、駄々っ子のように不満を口にするカレンに笑いながら春彦は言った。
「じゃあ。」
春彦は、立ち上がった。
「仕方ないなぁ。
 じゃあ、お見送り。」
カレンもそう言って立ち上がり、春彦と玄関のドアの方へ歩き始めた。
が、何かに躓いたのか、ふらついたのか、「きゃ」という声で、体勢を崩したカレンを春彦は抱き留めた。
「大丈夫ですか?」
春彦は声をかけた。
「…。」
カレンは何も言わず、じっと春彦を見つめていた。
そして、体を入れ替え、春彦に抱きついた。
「えっ?」
春彦は急なことで驚いたが視線の先にカレンの顔が、そして何かを言っているなまめかしいその唇にくぎ付けになった。
そのカレンの唇が、春彦の唇に近付いてくる。
そして鼻腔にカレンの成熟した大人の女性の香りがいっぱいに入ってきて、春彦は取りつかれたように、カレンの唇に自分の唇を重ね、力強くカレンを抱きしめた。
カレンは、両手で春彦の首にかじりついた。
「そこの部屋に…。」
しばらく、そうしていたあと、カレンが春彦の耳に口を近づけ、喘ぐように言った。
カレンが言った部屋とは、春彦が寝室と思っていた部屋だった。
「うん。」
春彦は、返事をし、カレンを抱き上げた。
「きゃ」
カレンは、小さな悲鳴を上げ、春彦の首に回している腕の力を少しこめた。
春彦が、カレンを抱き上げながら部屋に入ると、そこにはきれいに片づけられているベッドルームだった。
春彦は、優しくカレンをベッドの上に横たえた。
カレンは、それでも首に回した手をほどかず、下から春彦を眺め、微笑んでいた。
そして、二人は自然と体を重ね合わせた。
春彦は、上からカレンを抱きしめながら、うなじに口づけをした。
カレンがぴくっと反応した。
春彦は、カレンのブラウスの上から胸をまさぐり、そして、ブラウスのボタンを下から外していった。
ブラウスとアンダーを外し、カレンは上半身裸になっていた。
春彦は、そのたわわな胸のつぼみに口をつけ、下で転がすように吸った。
カレンは、体を少し捻じり、小さなため息をついた。
春彦は、胸から腋まで下を這わせていった。
そして、空いている手をスカートの中に這わせた。
カレンはそれに呼応するように、脚を少し開いた。
パンティの上から、カレンの秘部を愛撫した後、カレンのスカートを脱がし、春彦も裸になった。
全裸になった二人は、お互いに激しく体を絡めあった。
そして、春彦の手がカレンの秘部を触ると、そこは、すでにじっとりを濡れていた。
「今日は、大丈夫なの。
 来て。」
カレンが、なまめかしい声で呟いた。
春彦は、体勢を立て直し、自分の固くなったものを、カレンの濡れた秘部に突き入れた。
「ゔっ」
カレンは、一瞬、声を上げたが、そのまま、春彦を受け入れた。
春彦は、女性経験は初めてではなかった。
長身ですらりとした体格、風貌もまずまずの好青年の春彦は、学生時代から女性から好感を得ていた。
しかし、春彦は、軟派ではなく、どちらかというと硬派で、女性とぺちゃくちゃ話をすることはあまりなく、それが逆に人気になっていた。
1、2人の女性と付き合ったことはあったが、春彦は決して心を許すことなく、付き合った女性はそれが苦痛で、各局、長続きはしなかった。
カレンもある程度男性経験があり、二人は、お互いの欲望を絡めあっていた。

「まったく、春君はすごいね。」
カレンは笑いながら上半身を起こし、春彦に向かって言った。
「そんなことないですよ。」
春彦は、少し照れながら答えた。
しかし、春彦は身体を重ねた後、いつものような虚無感にさいなまれていた。
春彦は、いつも、女性と身体を重ねた後、身体とは裏腹に、心が空しくなっていた。
そんな春彦のことを見通したように
「ねえ、知ってる?
男と女って、お互い運命の人がいるって。
 ほら、良く言うじゃない、赤い糸で繋がってるって。
 お互いが、その人で、カップルになればハッピーなんだけど、そういうカップルって少ないそうよ。
 片方が運命の人と感じ、もう片方がそうでなかったら、運命の人と感じなかった方は、凄く空しくなるって。」
「…」
春彦は、カレンが何を言っているのか理解できなかった。
(春君にとって、私は運命の人じゃないな。
私、春君だったらいいなと思ったんだけど。)
カレンは、春彦を見ながら思った。
「私、この前、彼氏と別れてから、しばらく一人でのびのびしていたいんだ。
束縛されるのも、当分、ごめんなの。
 でも、春君とは、また、会いたいな。
 たまに、連絡してもいい?」
「えっ?
 ああ、全然かまわないですよ。
 僕も、カレンさんと話をするのが楽しいし。」
「よかった。」
悪戯っぽくカレンは春彦の鼻にキスをした。
(ようは、恋人ではなく、ちょっと深い友達ってことかな。
それはそれで、構わないな。)
春彦は、カレンの言ったことをそう理解した。

カレンと別れ、家に帰ったのはしっかり深夜になっていた。
ドアを開けると、リビングの方から「おかえりー」という舞の声が聞こえた。
「ただいま。」
春彦は、そういいながらリビングに入っていくと、お酒を飲みながら、舞がニヤニヤしていた。
「こんな時間まで、女の子と、お楽しみかな?
 佳奈ちゃんに言いつけてやるよ。」
「佳奈は、関係ないだろ。
それより、そんな言い方、エロ爺みたいだよ。」
「そうかなぁ?
 まあ、いいでしょ。
 それより、どんな娘?
 お付き合いしてるの?」
「なんでさ。」
「私の鼻を侮るなよー。
 春の身体から。若い女の子、女の子じゃないな、成熟な大人の女性の匂いがするよ。」
「勝手に言ってな。
 明日も仕事だから、風呂に入って寝るよ。
 そうそう、ご飯は食べてきたから。」
「はいはい。」
舞はニヤニヤ顔をそのままに、手を振っていた。
春彦は、素っ気なく自分の部屋に戻っていったが、内心、舞に見透かされているようで冷や冷やものだった。
(しかし、凄いな。
 さすが、母さんだな。)
反面、まぐれでも言い当てた舞に感心することしきりだった。

それから、数カ月経ち12月に入ったある日のこと、佳奈は自宅のある駅の改札を出たところだった。
「まったく春ったら、最近ちっとも連絡をくれないで。
 最近、墓参りにも行ってないし…。」
佳奈は、会社帰りぶつぶつと独り言を言いながら、駅近くの商店街を歩いていた。
佳奈と春彦はお互い社会人1年目で、仕事に慣れるべく、忙しく、ここ数カ月も全く連絡を取り合っていなかった。
でも、佳奈は、何かにつけて春彦のことを思っていた。
ふっと、遠くを見渡すと、佳奈の視線の中に春彦が飛び込んできた。
「あっ、春彦だ。
 全然連絡くれないで、ちょっととっちめてやろうかな。」
言葉とは裏腹に佳奈は春彦に久々に逢えた嬉しさで、笑顔になっていた。
そして、春彦に近付いていき、声を掛けようとした瞬間、春彦の隣にきれいな女性がいるのを気が付いた。
春彦は、その日、カレンの買い物に付き合っている最中だった。
楽しそうに語りながら歩いている二人を見て、佳奈は、声もかけずに立ち止まった。
そして、そっと後ずさりして二人から離れ、踵を返して二人から遠ざかるように、違う路地に入っていった。
「春と歩いていたきれいな女の人、誰なんだろう。
 春の彼女?恋人?」
そんなことを考えながら、佳奈は心が締め付けられる思いがした。
だんだんと歩くスピードが遅くなり、うつむき気味に歩いていた佳奈の瞳から涙が一粒流れた。
「しかたないよね。
 春は、女の人にもてるから。」
佳奈は、その涙を手で拭いながら、つぶやいた。
そして、ふと周りを見渡すと、あまり通ったことのない道だったことに気が付いた。
「いけない、いけない、こんなところまで来て。
 ここら辺は、街頭もなく危ないんだっけ」
と、十字路を横断しようとした時、無灯火の車がスピードを緩めることなく、迫ってくるのが見えた。
「なに?」
よける間もなく、佳奈はその車に跳ね飛ばされた。
激しい衝撃の中、佳奈の意識は暗闇に吸い込まれていった。
スポンサーサイト
コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する


copyright © 2018 混線次元(はるかな物語) all rights reserved.Powered by FC2ブログ