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梅星

Author:梅星
社会人になっても、いつもいろいろな空想の世界を思い描いていました。
その中で、ずっと書きたかったお話(小説)をブログという世界を使って紹介させていただきます。
無理なく肩の力を抜いて続けていきたいと思いますので、楽しんでいただけたらと思います(毎週更新予定です)。
初めて読まれる方は、『あらすじ』も並行して読んでいただければ、読みやすいかと思います。
お楽しみください。

尚、文中の登場人物、会社等すべてフィクションです。


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DATE: CATEGORY:第9章 クロスロード
仕方なしに、美由紀の部屋にもう一つ布団を引いて美由紀と美穂子を寝かせ、春彦と陽介は後片付けをした。
「まあ、こんなに酔っぱらった二人を見たのは初めてだよ。」
陽介は呆れた顔をして言った。
「そうなんだ。
 美由紀さんと美穂子さん、二人揃うといつもこんなににぎやかだと思っていたよ。」
春彦は特に驚きもせずに言う。
「まあ、そうだけど、姉さんまで潰れるのは、滅多にないよ。
 今日は余程楽しかったんだろうな。
 あんなに嬉しそうで、笑い転げている姉さん見たのは久々だから。
 親父がいなくなってからは特に。」
「そうなんだ…。」
一瞬沈黙が流れた後、陽介が気分を変えるように笑顔を春彦に向けた。
「春彦、まだ、寝ないよな?」
「ああ、もう少し起きてるよ。」
「じゃあ、春彦の部屋で二次会でもやるか。」
「ああ、いいよ。」
そう言って二人は、春彦の部屋に場所を移した。

「ほい。」
陽介は春彦に飲料缶を投げて渡した。
春彦は右手で受け取ると缶のラベルを見た。
「おい、これって…。」
「ノンアルだよ、ノンアルのグレープフルーツジュースだよ。」
「…まぁ、そう言うなら。」
春彦が受取ったのは缶酎ハイの缶だった。
プシュッという音とともに2人は缶のプルトップを開けると乾杯をした。
「お疲れさん。
 姉さんたちのことは悪かったな。」
「いや、全然、気にしていないって。」
陽介は酔いつぶれた美由紀と美穂子のことを改めて春彦に謝ったが、春彦は全く気にしていなかったし、ましては逆に親近感が深まった気がしていた。
「そっかぁ。
 なら、良かった。」
カーテン越しだったが、はす向かいの家の豪華なクリスマスイルミネーションの明りが映っていた。

「春彦。」
「ん?」
「いや、お前さ、最近変わったよな。」
「え?」
春彦には陽介が何を言いだすのか、わからなかった。
「いや、美穂子さんや姉さんが言っていたみたいに、最近、落ち着いたって言うのか。」
「…。」
「いや、少し前までは、何て言うか、怖いというか、危ない気がしていたんだ。」
「そっかぁ?」
「ああ。
 あの公園の騒動も、お前じゃないのか?」
「…。」
陽介は真面目な顔で春彦を見つめたが、息を一つ吐くと表情を緩めた。
「まあ、誰が怪我した訳でもないし、悪党が少しおかしくなって捕まったくらいだからどうってことないんだけどさ。
 でもさ、怒らないでな。」
「…。」
「お前、人殺しまではしないと思うけど、人に大怪我させたり、何て言うか、女の子にもちょっかい出しそうでさ。」
「おいおい、俺が痴漢をするってか?」
「いや、そんなことはしないってわかっているけどさ。
 何か雰囲気が危なかったんだよ。
 それが、夏以降、落ち着いたみたいでさ。
 本当に彼女が出来たんじゃないか?」
春彦は芳江のことを陽介に話そうかと思ったが、やめておいた。

「いや、単なる茶飲み友達が出来ただけだよ。」
「茶飲み友達?
 爺臭!!」
「放っとけ。」
二人は笑い出した。
「でもさ、最近変な事件が多いだろう。」
「ん?」
陽介は顔を曇らせ話続けた。
「俺の親父の時もそうだったけど、集団になると平気で人を殺すだろ?
 まあ、一人でも相手が弱いと思うと平気で踏みつけるように殺すだろ。
 この前なんか3歳の女の子を実の親が折檻して殺したよな。
 写真見たけど、可愛い女の子なのに、信じられないよ。」
「ああ、俺も見たけど、あれは嫌だ。
 ニュース見るのも辛かった…。」
春彦も顔を曇らせた。
陽介の父親は、春彦の通っていた道場でリンチに遭って殺されていた。
春彦は道場の門下生ではなく、単に昔から館長を知っていたので、体力を持て余した時に気晴らしで顔を出していた程度だが、裏でそう言うことがあったのは事件が発覚するまで、わからなかった。
「他にも、女の子を酔わせたり、クスリで眠らせて強姦する、酷いのになると、そのまま殺しちゃうなんてあったよな。」
「…。」
「そう言うやつらは、きっと人じゃないんだろうな。」
「え?」
春彦は陽介の言ったことの意味がわからなかった。
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